AppleがSSDとHDDのいいとこ取りドライブとしてフュージョンドライブというものを発表しました。物理的には異なるデバイスですが、1ドライブ化しアクセスの多いデーターはSSDにファイルなどの大きなものはHDDへと意識すること無くデーターを配置することで高速な読み書きを実現するものです。SSDも128Gと大きめに取ってありますのでファイルコピーなどもSSDに高速に取り込みつつHDD領域に書き出して行くというようなアプローチと想像しますのでアプリケーションの立ち上げと言った前面の操作感以外にも恩恵があるでしょう。今回iMacとMacminiにオプションでフュージョンドライブを選択することが出来、検討されている方も多いと思います。特にMacBookAirなどすでにSSDを体感済みの方は昔ながらのHDDでは物足りないはずです。
iMacは分解レポートを見る限りSDDはオンボードで2.5inch HDDが別に搭載されている感じです。Macminiは2ドライブ分のスペースがありますので一つにSSDもう一つに通常のHDDという構成と思います。フュージョンドライブ搭載Macのディスクユーテリティーは通常のMacとは別バージョンということです。多分、旧モデルであってもこのようなHDD構成でなにか細工をすればエセフュージョンドライブ化は可能と思います。
今回はこのようなアプローチではなく、すでに1ドライブ内にSSDとHDDを組み込んだハイブリッドハードディスクに交換・換装してみます。
Mac mini 2011Midの分解方法はWebで出ていますので問題は無いと思います。1ドライブだけ交換であればT6とT8のドライバーがあれば可能です。もちろんメーカーの保証も切れてしまいますので作業にあたっての故障、交換後の不具合については自己責任です。
今回交換するのは Seagate Momentus XT 2.5inch 750GB Hybrid 8GB SLC NAND付 32MB 7200rpm SATA6.0Gb/s ST750LX003 (アマゾンへのリンクです)
SDDに当たる部分は8GBとフュージョンドライブ128GBと考えると遥かに少ない感じです。このあたりの結果は後述いたします。
MacOSのインストール前に、認証が必要なアプリケーションは 解除しておく必要があります。身近なところではiTunesです。Macに関しては同一アカウントでMac5台までと決まっております。認証解除しないとその分の台数がカウントされてしまいます。ただ、一年経過すると5台までの認証は一度クリアーすることも出来るし、個人の場合は5台もMacを持ってることは無いと思いますので万が一忘れても通常問題ないと思います。その他PhotoshopやNikのプラグインなども認証されているのでインストーラーからアンインストール(認証解除)するものもありますのでご確認ください。
その点AppStoreで購入したアプリはAppleアカウントにひも付けされていますのでログインすればCDなど全く必要なくネット経由でインストールでき非常に楽です。
それが終わる次はOSのインストールです。最近のMacはインストールディスクもUSBメモリーもありません。たしかOSX Lionからだと思います。ただ、一生懸命起動ディスクを作る必要もありません。さてどうするか?方法は二つ。
一つは今使用しているMacをoptionキーを押したまま起動すると復元用の起動ディスクが現れます。これで起動させてからインストールしたいHDDをHDDケースに収め外部ディスクとして接続します。そこにOSをインストールしていきます。
二つ目はいきなり新しいHDDをMacに組み込んで「インターネット復元機能」を使う方法です。今回は前者で行いましたので保証はしませんがOSのインストールは出来るはずです。(インターネットと電源のある環境であればどこでも)
ひとつ注意で2.5インチHDDの消費電力です。今回交換したハイブリッドHDDはDC5V 700mA Macminiに入っていたHDDはDC5V 700mAと同じで内蔵するには問題ないのですが、2.5インチHDDケースはUSBバスパワーで動くものの一昔のUSBは500mA程度の給電能力しかありません。最近のMacはUSBでもiOSデバイスの普及で1A程度あると思いますが、HDDケースのほうがどのような電源回路なのか500mAオーバーのHDDを駆動できるかは微妙です。実際、今回外したHDDをケースにおさめてマウントしようとしましたが、表示まで非常に時間がかかったり、深い階層のファイル表示ができなかったりと明らかに電源不足の挙動を示しました。HDDの電源容量不足はHDDの故障原因になりますので好ましくありません。USBがYの字になった補助電源を確保できるものが付属しているタイプや数は少ないのですが、AC/DCアダプターを使用できるものをチョイスしておく必要もあるでしょう。
今回はOSをクリーンインストールしてファイルを移行アシスタントでTimeMachineから引っ張ってくるという方法で乗り換えとしました。アプリケーションは今までインストールしたものの使用頻度の少ないものは入れ無い方向で進めました。
実際の起動速度は?
ファイルの移動も寝ている間に済ませほぼ前の環境に戻りました。ハイブリッドHDDは内部でアクセス頻度の高いものをSSDに移すようで何回か起動したり特定のアプリを使うと速くなると思います。OSの起動について何回かやってみましたが、一分弱と昔より速くなりましたが思ったほどでなくいろいろ調べた結果、PRAMのクリアーをやってみました。Macユーザーおなじみの「オプション+⌘+P+R」で起動。起動音のジャーン〜が二回なったらキーを離してOKです。なんと27秒と速くなりました。僕が頻繁に使うであろうApertureやSafari、iTunesなどはワンバウンドで起動するようになりました。ただ、たくさんアプリを起動してくると2バウンドになったりもうすこし多くなったりはするようですが、体感的には速く感じることが出来ます。ただ、ファイルコピーなどはただの7200rpmハードディスク程度の速度でしかありませんが...。実際やってみた動画は下の通りです。
東芝からも1TバイトのハイブリッドHDDが出るようなのでそちらも検討されると良いと思います。(自己責任で)
総括すると、さすがに本家のフュージョンドライブの性能の方が良いでしょうが、体感的にはかなりの効果があります。ただ、Mac製品はハードを分解するような機械ではないので万人にお勧めできるものではないと思っています。迷わずオプションでフュージョンドライブを選んでください。
2013年1月5日土曜日
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